コルセットやサポーターは腰痛の方にとって特に痛みが出る時などは非常に助かるアイテムです。
腰痛時にコルセットを付けることで痛みが和らぐことからコルセットを付ける=腰痛が治ると勘違いされる方もいますが、コルセットでは腰痛を治す事は出来ずあくまで腰椎の可動範囲を制限する事で痛みが起こらないようにしているだけです。
コルセットの役割を理解しないで使用を続けることは自発的な腰痛になりにくい腰痛体操や体幹トレーニングへの意識を遠ざけコルセットへの依存体質を生み出す可能性もあります。
そこでこのページではコルセットの本来の役割から依存しない為の腰痛対策を合わせて紹介していきます。
腰痛コルセット(サポーター)を付ける目的
そもそも腰痛の方がコルセットを付ける目的を簡単にまとめると以下の3つが上げられます。
- 腰部に過度な屈曲や伸展、ねじれの制限
- 骨盤の傾斜を守り腰部の反り減少&姿勢維持
- 腹部を引き締め、腰椎を平らに保つ
それぞれの詳細を簡単に解説します。
腰部に過度な屈曲や伸展、ねじれの制限
仕事中含め日常生活では前かがみで荷物を持ち上げたり咄嗟にふり返るといった屈曲や伸展動作が多発します。
この際、腰の具合が正常であれば問題ありませんが腰痛を患っている場合、軽微な腰部の動きにその都度痛みが発生し辛い思いをするわけです。
そこで腰痛コルセットやサポーターが正しく付けられていれば身体の動きに対して可能な限り腰の動きを制限してくれて痛みの発生を抑止してくれます。
骨盤の傾斜を守り腰部の反りを減少させて正しい姿勢の維持
人間は立っている時に骨盤のすぐ上がくぼんでいます。このくぼみを「腰椎前彎」といい成長の過程で自然形成されます。
腰椎前彎は前かがみや猫背など前彎がなくなる動作を頻繁に行ったり、また逆に前彎が強すぎる(腰の反りすぎ)状況になると腰痛を引き起こします。
特に長時間、立ち続けると腰椎前彎が強くなりすぎる(反り腰)状態となり腰痛を経験された方も多いのではないでしょうか。
そこで正しくコルセット(サポーター)を付ければその腹圧によって骨盤の傾斜を保持し、腰部の反りを減少させる働きがあります。
腹部を引き締め、腰椎を平らに保つ
先述した腰椎前彎における反りの減少に繋がりますが、本来は腹部周辺のインナーマッスルが機能して適度な腹圧をキープできれば腰椎を平らに維持する事ができます。
ただし日常的に筋肉トレーニング等を行っている人でもない限り長時間の腹圧をキープする筋力を持ち合わせる事は難しく、腰椎のゆがみが発生します。
そこで腰痛コルセットを適切に付けることで腰椎を平らに保つことができ結果的に腰椎前彎を適切なポジションに保つことに繋がります。
コルセットに依存しない為に
コルセットは腹圧を向上させ背中の安定化を手助けしてくれる非常に心強いアイテムではあるもののそれ自体に治療効果は全くありません。
長期間の使用はコルセットへの心理的な依存へも繋がるのでコルセットが担っている部分を徐々に自分自身の体に移行していく事がおすすめです。
脊椎のS字カーブを安定させるコアマッスル(深部筋)の強化
腰痛コルセット(サポーター)はベルト本体を腰周りにぐるっと巻き付けて腹圧を上げる働きがありますがこれは腹筋群の中でも最も深層部にある腹横筋が本来行う役割になります。
腹横筋を強化するには呼吸法の一つである「ドローイン」が効果的で簡単なトレーニングなのでおすすめです。
背骨を安定させる多裂筋とアームレッグクロスレイズ
またコルセットの多くは背面パネルによって脊椎(背骨)の安定化を図っていますがこれは本来、腰椎や胸椎を一つ一つ繋いでいる多裂筋を強化する事で同じ効果が得られます。
多裂筋を刺激する体幹トレーニングの代表的なものにアームレッグクロスレイズ(ダイアゴナル)があります。
いずれも体幹筋群の中でも最も深い位置にあるのでそう簡単に鍛えられる部位ではありませんがコルセット=腹横筋&多裂筋と言えるのでコルセット依存を少しでも減らしたい方はこれらの体幹トレーニングに取り組んでみてはいかがでしょうか。
腰痛を治して予防するエクササイズ
腰痛を起こさない為には日頃から脊椎のS字カーブを維持し適度な腰椎前弯を作っておくことが重要です。
この腰痛前弯を作るにはサイト内で紹介しているマッケンジー体操や関連の姿勢矯正がおすすめです。
マッケンジー体操はうつぶせ寝で体を反らせる動作がほとんどですが立ったまま行える手軽な体操もあります。
このページのまとめ
腰痛に対してコルセットやサポーターは非常に心強いアイテムではありますが慢性的な腰痛に対して長期間の使用は本来の目的からも推奨されません。
コルセットの役割を理解し上手く活用しながら徐々に自分自身の筋力や姿勢によって腰痛を対策する事が望ましいです。
サイト内では自分でできる腰痛対策を沢山紹介していますので是非ご自身に出来る部分から取り組んでみてください。