腰痛を予防するには脊椎(背骨)のS字カーブを自然に保つことが重要です。
しかし、日常生活では前かがみや悪い姿勢で椅子に座る事でこのS字カーブと腰椎前弯が簡単に失われています。
マッケンジー体操や姿勢矯正では失われた脊椎のS字カーブや腰椎前弯を回復させる事が可能ですがあくまで一時的な効果になります。
実際にはそれを維持する事が大切で、これには背骨をひとつひとつ繋いでいる多裂筋や腹筋群の中でも最も奥にある腹横筋の強化が不可欠となります。
そこでこのページでは背骨のS字カーブを維持して腰痛の予防に繋がる多裂筋や腹横筋のコアマッスルを刺激する体幹トレーニングについて解説していきます。
腰痛の予防に重要な背骨のS字カーブについて
背骨は正面から見ると一直線ですが横からみると各所に弯曲を作るS字カーブを描いています。
これは人間が直立歩行するが故に縦方向に掛かる体の重みを緩和させる働きがあります。
腰椎前彎の重要性
背骨のS字カーブによって適度な腰椎前弯が作られているわけですがこれが前かがみ等、姿勢を悪くする事で簡単に腰椎の前弯が失われます。
腰椎前弯が失われるとそれまで分散されていた体重が一気に腰椎と骨盤のつなぎ目に集中し腰痛を引き起こすわけです。
背骨のS字カーブの維持に効果的なコアマッスル(ローカル筋)
そこでこの背骨のS字カーブの維持に重要な役割を果たすのがコアマッスル(深層筋)とよばれる腹横筋と多裂筋となります。
複数ある体幹筋群の中でも共に最も深い位置にあるローカル筋とも呼ばれています。
コルセット筋とも呼ばれる腹横筋
腹横筋は腹筋群の中でも最も深層に位置する筋肉で、コルセットのように腹部から背部までを覆うように付着していることからコルセット筋とも呼ばれる事もあります。
この筋肉が働くとお腹の中の圧力は上昇し、体幹が安定します。
背骨を安定させる多裂筋
多裂筋は背筋の中で、最も内側に位置する筋肉で腰椎や胸椎の骨ひとつひとつを繋いでいます。
コアマッスルを強化する体幹トレーニング
これらのコアマッスルを強化する代表的な2つの体幹トレーニングがあります。
- ドローイン
- アームレッグクロスレイズ
ドローイン
ドローインは腹横筋を鍛える呼吸法です。
仰向けになり限界まで鼻からゆっくりと息を吸い込みお腹を膨らませ、今度は口から息を吐ききり10秒以上その状態をキープします。
この時お腹の収縮を意識します。
アームレッグクロスレイズ(ダイアゴナル)
体幹トレーニングの中で比較的有名なアームレッグクロスレイズ(別名ダイアゴナル)。
腕(アーム)と脚(レッグ)を対角(クロス)で上げた(レイズ)状態をキープする事で背筋群の安定化に役立つ筋肉を鍛えます。
理想は腕、頭、肩、背中、お尻、脚のラインが一直線になるように上げた状態を10秒間キープします。
このページのまとめ
筋肉トレーニングの中でも比較地味な体幹トレーニングにあって更にコアマッスル(深層筋)の腹横筋と多裂筋はトレーニングによる筋肉の動きを意識しずらい部分ではあります。
それでも腰痛予防に繋がる脊椎のS字カーブの維持には非常に有効な手段になるのでマッケンジー体操と合わせて3日に一回程度で行う事がおすすめです。