2018年8月から発症したと思われる腰椎椎間板ヘルニアの発症からの整骨院、整形外科、ペインクリニック、鍼灸院、MRI検査できる整形外科、大学病院と色々、紆余曲折して2019年6月にヘルニコアの治療を行うまでの治療やヘルニアに関する自分の知識量、心の変化を含めた経緯をこのページにまとめておきます。
実際、発症初期段階ではそれが腰椎椎間板ヘルニアなのかなんなのか全く見当がつかず、ただの筋肉痛と思い、ヘルニアと診断された後も世間一般にある情報からいずれ治るだろうと勝手に楽観的な考えをもっていましたが、時間が経過しても症状に変化の無い現実。
MRI検査を受ける前に伺った整形外科やペインクリニックでは
「軽度のヘルニアです」
と言われ、実際にクリニック等に来ている他の腰痛患者さんの方が自分よりも見るからに辛そうなので自分は大した事ないのかなと思っていました。
事実、発症の間もないヘルニアの約8割は安静や鎮痛剤の内服などの保存療法で症状が改善(自然治癒)する事があるので書籍等やカイロプラクティックの方の解説動画ではストレッチや体操、筋トレをする事であたかもヘルニアが治ったとされる情報が沢山あります。
自分の場合は生活が出来ないほどの痛みや痺れではないものの、安静にしていても自然治癒にはならない残りの2割のヘルニアだったという事です。
脊柱管狭窄症による間欠性跛行や排尿障害は無かったのでヘルニアによる坐骨神経痛を緩和するべく外科手術の一歩手前としてヘルニコアを選択したわけですが、同じようにヘルニアで苦しむ方の少しでも参考になればと思います。
レッグプレスで筋肉痛からヘルニア発症?
2018年8月頃、半年前くらいから週2程度、スポーツジムで行っていた筋トレですが普段よりも重量をあげて(160kg程度)レッグプレスをした直後から左のおしりの筋肉に違和感を感じ始めます。
多分、レッグプレスの座り姿勢が悪く、腰をしっかりイスに付けず浮かせた状態で勢いよく動かしてしまったことが原因ではないかと考えています。
腰の力で押してしまった。。。のではないかと。
筋肉痛が治らない&坐骨神経痛発症
通常、筋トレした後2、3日はよく筋肉痛になるので特に気にしていなかったのですが左のおしりの違和感は一向に改善しない状況に気になり始めます。
前屈が痛過ぎて出来ない
更にストレッチ目的で前屈すると普段であれば多少固いながらも両手の平を地面にベタ付けできるのですが、今回は前屈の動作に連動して左のおしりに激痛が走り曲げられない。
しかも普段使っている会社のオフィスチェアに座ると左のおしりから親指の先までがピリピリ痛み座っていられないという坐骨神経痛になりました。
この時点でほとんどヘルニアの症状なのですが、ヘルニアによる症状がどうゆうものが理解していなかったので筋肉痛かと思っていました。
整骨院で針治療を2回受ける
2018年9月末、普段の筋トレ後の筋肉痛とは何かが違うと感じ、これは針治療などで左のおしりの筋肉をほぐす必要があるのではないかと思い、とりあえず針治療できる整骨院を探して施術をしてもらいました。
痛みの原因が分からない
人生初の針治療体験で針を左のおしりから腰回りにかけて行い、更に低周波を流してもらいます。
前屈すると痛む左のおしりは筋肉が張ってしまっているイメージだったので針治療&低周波によって硬直したおしりの筋肉が緩和され痛みが取れるのではと、勝手に想像していました。
がしかし、施術を行うも全く痛みに変化がなく、なぜ今の痛みが出ているのかという原因を聞いても柔道整復師の方は答えられない。
「原因を探る意味でも今の施術を継続しましょう」みたいな回答でそのアプローチが間違っているとは思わないのですが今一しっくりこないのと痛みが緩和されていく雰囲気が全く感じられない為、2回の施術で早々に継続治療を終了します。
近所の整形外科で軽度のヘルニアと診断
2018年10月、左のおしりの痛み=坐骨神経痛はヘルニアから来るものなのではという情報にネット上で行き着き、レントゲン検査ができる整形外科に行ってみるかと考え、特に医療施設の設備や医師の専門分野等は深く考えず家の近所の整形外科を受診します。
ロキソニンの服薬とコルセットの装着指示
レントゲン検査ではヘルニアかどうか目視で判断する事は出来ないわけですが足を上げて痛みが走る検査、SLRテストで明らかに左だけ痛みが出ることからも「軽度のヘルニア」と診断されロキソニンの服薬とコルセットの装着を指示されます。
ロキソニンが効かない&コルセットが逆に痛い
それまで正常だった状態から急激に坐骨神経痛になったからなのかわかりませんが、このころはなぜか処方されたロキソニンを飲んでも痛みが軽減する感じがありませんでした。
というか症状が出始めて初期段階なので、坐骨神経痛が出た時に痛みを逃がすような体位の変更ができず鎮痛剤をもってしても痛みがダイレクトに来ていたのではないかと考えます。
またコルセットもするとより神経をより圧迫するようで痛みが増幅してしまい使いませんでした。
この時は一般的には発症間もない初期段階なので2~3カ月程度、鎮痛剤の内服やコルセットによる保存療法の期間だったのだと思います。
ただ、医師からはそういった説明は一切なく、
「とりあえず安静にしてまた来週にでも来院して」
と言われても、痛み止めもコルセットも効かず、具体的なそれ以外の治療も出来ないのでは次行く意味ないなという心境になっていました。
出来れば一般論でもヘルニアは
- 2~3カ月の保存期間中で8割は自然治癒
- 残り2割が手術などを検討する
と言った簡単なロードマップというか方向性が欲しかったです。
梨状筋症候群を個人的に疑う
軽度なヘルニアだけど鎮痛剤飲んでも変わらない、相変わらず痛みは左のおしりの奥の方に感じており、ここからネット検索による世の中に大量にある腰痛情報に埋もれていく事になります。
おしりの痛みをネット検索していると「梨状筋症候群」というワードに行き着きます。
自己判断ではやはり、最初からおしりの奥の方に違和感がありヘルニアというか梨状筋症候群なのではと勝手に思い始めます。
ペインクリニックで神経根ブロック注射
2018年12月、自己判断で梨状筋症候群の可能性を疑いつつ、鎮痛剤もコルセットも効果がなく他の治療方法としてブロック注射がヒットします。
比較的ホームページ内でしっかりと各症状に対するブロック注射の説明をしているペインクリニックを発見し、事前予約から実際に来院します。
梨状筋症候群の否定
事前の問診表に現在に至るまでの経緯などを説明しつつ、ネットで調べた情報や痛み的に「梨状筋症候群」というものではと質問してみましたが、あっさりと否定されやはり「軽度のヘルニア」と診断されます。
神経根ブロック注射の実施
私の痛みのレベル的にブロック注射を行ったとしても劇的な変化はない可能性があると言われつつも少しでも変わる可能性があるのであればと思いブロック注射をお願いしました。
神経に直接注射を打ち込む為、針が刺さった時は神経に電気が走るような衝撃があります。
こうなる事を知っていたら止めていたかもしれないというレベルの衝撃で、施術後は普段よりも痛みが緩和されているような気がしました。
当然、痛み止めを直接注入しているので痛みが一時的に緩和されるわけですが、持続性はなく自分の場合は次の日には元通りの痛さでした。
ペインクリニックでは施術後に次回の来院指示などもなく、自分的にもあの衝撃を再度受けたくないので一度きりで終了します。
鍼灸院で深層針による針治療を受ける
2019年1月、年末年始を迎えても相変わらず変化のない痛みに対し、やはり硬直したおしりの筋肉をほぐす必要があるのではと考え、今度はもっと奥まで届く「深層針」を使った治療が良いのではと思いネットで調べた鍼灸院を受診します。
こちらも針治療をする事で多少は筋肉がほぐれる感じはあるのですが、根本的な痛みは変わっていない&いつまで続ければよいのか見当がつかない状況でした。
決して安くはない施術料も考えるとだらだらと続けるには至らず2回で終了します。
この頃は完全に「ドクターショッピング」状態になっていました。
ドクターショッピング (英語: Doctor shopping) とは、精神的・身体的な問題に対して、医療機関を次々と、あるいは同時に受診すること。別名「青い鳥症候群」とも。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
というのも医師からは軽度のヘルニアといわれているし、自分自身も他の腰痛患者さんと比べるとそこまで重症には思えない。
軽度なヘルニアなのであれば治っても良いはずなのに、時間が経っても全然変化がないという事はなにか別の疾患や治療があるのではというような思考になっていました。
ヘルニアの保存療法が効かない場合は手術を検討するというのが一般的ですが、自分は軽度なヘルニアなので手術するまでには及ばないと希望的な意味も含めて期待しており、自然治癒しない側のヘルニアの事は全く考えていませんでした。
MRI検査
2019年2月の終わりごろ、2018年8月から既に半年近くが経過し、なおも良くなる様子がない状況に念のため一度MRIを撮ってみるかとMRIが撮れる整形外科を受診します。
ちなみにここまでMRIを撮っていなかった理由はMRIの機器がある医療機関が近くに無かった事と軽度のヘルニアと言われるのでそれ以上、通院をしなかったからです。
MRIはお金もかかる事だし、撮ったところで軽度のヘルニアであることには変わりないのであれば意味がないのではと感じていました。
腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症の併発と診断
てっきり、これまで同様に軽度のヘルニアですねと言われるものとばかり思っていたところにMRIの画像を映し出されながら「ヘルニアだけでなく、狭窄もしていますね」
といわれ、痛み的にはそこまでではないのかもしれないけど全然、軽度では無いしここまで時間が経っても痛みが取れないのであれば外科手術を検討する必要があると言われ、一気にテンションが下がった事を覚えています。
因みに診察をしてもらった医師は某大学病院から診療に来ている日本脊椎脊髄病学会認定指導医の方で正に腰椎椎間板ヘルニアの専門家です。
整形外科医の中でも脊椎・脊髄疾患に対する専門的な医師を探される場合は一般社団法人、日本脊椎脊髄病学会の指導医リストから検索されるのが良いかと思われます。
手術の提案と迷い
- 生活に大きな支障がなければすぐに手術の必要はない
- しかし狭窄した脊柱管がストレッチや保存療法では広がらない
- ヘルニアも変化がないのであれば自然治癒は難しい。
という診断でした。。
ヘルニアはこれまでの病院巡りからも想定はしていたものの脊柱管狭窄症に関しては全くノーマークで自分の中でも情報の整理が出来ていない事からも一旦は痛み止めの服用で様子見をする事にします。
ロキソニン服薬による保存療法と定期受診
当初はあまり効果を感じられなかったロキソニン(鎮痛剤)を年明けくらいから再開してみたところ今度は明らかに痛みの軽減を感じられるようになり、逆に飲まないと痛くてつらいという状態になっていました。
3週間分のロキソニンを処方してもらいつつ、薬が無くなる頃に外来に行き体況の変化などをこちらが説明、手術の内容などを質問するというような経過観察が2カ月程度続きます。
自然治癒する8割のヘルニアとそれ以外のヘルニア
このころになってやっと自然治癒する8割の腰椎椎間板ヘルニアとそれ以外の手術などを必要とするヘルニアがあり、自分は残りの2割の方なのだと自覚します。
たぶん、ヘルニアの事をネット検索している早い段階でこの情報には触れているはずなのですが初期段階で受診した整形外科医に「軽度のヘルニア」と言われたり自分でも寝たきりになるような症状があるわけでもないという状況から勝手に
- 軽度のヘルニア=自然治癒する
- 重度のヘルニア=手術する
と解釈してしまっていたのだと思います。
更に世の中に出回っている整体師等の方々のヘルニアの治療情報で
- ヘルニアを自分で治す方法
- ヘルニアに有効なストレッチ
- ヘルニアが治る筋力トレーニング
等々に無意識的に期待していた部分もあります。
これら自分で治す系やマッサージ、ゴッドハンド系の内容はもちろん本当にそれでヘルニアが治るのかもしれませんが実際には8割の自然治癒する側のヘルニアの話なのではと自分は考えています。
ヘルニコアの提案と決断
自分のヘルニアはこのまま保存しても治らない、しかも脊柱管狭窄症も併発しているという事実を受け入れ、だらだらとロキソニンを飲み続けるのも嫌なので手術を希望する旨を担当医に伝えます。
ただし、事前に聞いていたヘルニアと脊柱管狭窄症の外科手術は約1週間程度の入院と退院後、3週間近くの自宅療養を必要とするという事で、仕事のスケジュール上すぐには踏み切れず、また担当医の所属する大学病院でも通常1ヵ月から2か月の予約待ちという話を聞いていたのでこの時は2019年4月ころでしたが7月か8月の手術を希望する事に。
3カ月以上先のスケジュール希望を話したところ、担当医よりそこまで時間的、体況的に余裕があるのであれば一度「ヘルニコア」を試してみればどうかと提案されます。
ヘルニコアもなんとなくネットで流し見した程度でしたがあまり情報が出回っていないのですが、それもそのはず、腰椎椎間板ヘルニアに対してヘルニコアが保険適応になったのは2018年8月という状況です。
試してみるか、根本的解決(外科手術)か
外科手術をしようと決断したところに新たな選択肢が生まれます。
ヘルニコアは素人が簡単に説明すると椎間板に直接注射をして薬剤を注入するだけで入院も1泊でよい。その後の自宅療養も必要ないという魅力があります。
一方で治療の効果がない場合もあることや、脊柱管狭窄症にはノータッチなので根本的な解決にはなっていないような気もしてしまい提案当初は選択に迷います。
迷ったポイントとしてヘルニコアでは効果がない可能性やアレルギー反応が出ないか心配という部分があります。
一方で外科手術の場合も根本的な治療であるものの、必ずしも坐骨神経痛等の症状が治まる確証がない事。
術後も当然、再発の可能性が高い事。そもそも1週間近く入院してその後約1ヵ月近くは安静にするというのは大分、大がかりに感じてしまっているという部分がありました。
ヘルニコアも通常の外科手術も治るという確証はないのであればまずは入院期間が短いヘルニコアを試してみようという結論に至りました。
ヘルニコア手術当日の流れから術後の効果はこちらのページで公開しています。
このページのまとめ
自己判断ではありますが、筋トレ中の間違ったレッグプレスのやり方によって腰椎椎間板ヘルニアを発症してしまい、同時に慢性的な姿勢の悪さや運動経験などから腰部脊柱管狭窄症も併発していたのではと考えています。