重い荷物を持つわけでもないのに長時間座っている事で腰が痛くなる経験をされた事がある方は多いのではないでしょうか。
デスクワークで腰が悪い人は座り方が悪い、姿勢が悪いとよく言われますが、一方でどういう座り方が正しく、座り方が悪いと何故腰が痛くなるのかを具体的に説明できる人は少ないかと思います。
そこでこのページでは座り仕事が中心のデスクワーカー向けの腰痛対策として正しい座り方から姿勢矯正の仕方、正しい座り姿勢を維持するヒントをまとめて紹介していきます。
仕事中に椅子に座っていて腰が痛くなる人は是非参考にしてみてください。
座っている時の腰椎椎間板にかかる圧力
背骨は一つ一つの椎骨があつまって構成されていますがこの椎骨の間には椎間板が挟まっており圧力を吸収する働きがあります。
この椎間板は常に何かしらの圧力がかかっているわけですが普通に立っている状態を基準(100)とした場合、座っている時の方がより圧力がかかる事が分かります。
- 椅子に座る(140)
- 猫背で座る(185)
- 座って物を持つ(275)
長時間のデスクワークによって失う腰椎前弯
本来、人間の背骨はS字にカーブしておりこれによって縦方向の重力を上手く分散しています。
猫背で座れば腰椎椎間板への圧力が増し、更に縦方向への負担を軽減する腰痛前弯も失う事になります。
疲れた時にやりがちな座面に浅く座る姿勢も同様に腰椎前弯を失い腰への負担が増加します。
正しい座り方を回復させる姿勢矯正
ここまでの内容から腰に負担を掛けない正しい座り方が腰椎前弯を維持するという事がお分かりいただけれるかと思います。
当然、長い時間座っていると姿勢が崩れてくるのは致し方ない事なので崩れたら定期的に姿勢矯正をする事がおすすめです。
サイト内で紹介している「猫背と過矯正動作」は座ったまま出来る手軽な姿勢矯正なので是非試してみてください。
定期的にマッケンジー体操その4を取り入れる
また姿勢矯正とあわせて立ち上がった時などには立ったまま状態を後ろに反らせる「マッケンジー体操」もオフィス内でも出来るのでおすすめです。
正しい座り方を維持するヒント
姿勢矯正や腰痛体操で正しい座り姿勢を回復した後は可能な限りその姿勢を維持したままデスクワークを続ける事が重要です。
これには体幹の中でも最も深い位置にある深層筋(腹横筋や多裂筋)の強化が必要になりますがそう簡単に鍛えられるわけでもないですし効果が出しづらいです。
体幹の強化は可能な限り自分のペースで進めつつもここでは手軽に正しい座り姿勢を維持するヒントを紹介していきます。
ランバーサポートクッションの活用
ほとんどの椅子は腰をしっかりと支えるように作られていないので自力で腰痛前弯を維持するには限界があります。
そこで背もたれにランバーサポートクッションを挟む事で半強制的に腰椎前弯を作り出しその姿勢を維持します。
専用のクッションがない場合は写真のようにバスタオルを丸めて代用も可能です。
骨盤サポートチェアシートの活用
腰痛前弯の維持には骨盤サポートチェアも有効で仕組みは座った時の自分の太もものを使った「てこの原理」を利用し座面後方を持ち上げ強制的に骨盤を立たせます。
これによって自発的な腰椎前弯を作り上げる仕組みとなります。背もたれに寄り掛かる事が無い分、より自力での腰椎前弯の姿勢維持が求められますが体幹トレーニングも兼ねて腰痛対策をしたい方にはおすすめです。
モニター位置の改善
デスクワークでの前かがみ姿勢を改善しようにもノートパソコンで仕事をする場合、構造上どうしても上からのぞき込む体勢となり猫背&前かがみは避けられません。
ノートパソコン自体を高い位置に置く
台になる物をノートパソコンの下に置き少しでも目線を上げる工夫も出来ます。
外部キーボードを活用する
ただしこの姿勢では両ひじが中に浮いてしまい首から肩への負担がかかり肩こりを誘発するので外部キーボードを活用するのがおすすめです。
モニターを持ち歩くには無理がありますがキーボードであれば軽いものもありますし職場でも自宅でも使用できるのではないでしょうか。
ノートパソコンの後方にクッションを挟んで傾斜させる
キーボードの用意が無い人はノートパソコンのキーボードを打てる範囲で傾斜を付けるだけでもモニターの視線は改善しますし、タイピングもしやすくなります。
ノートパソコンの構造にもよりますが底面を浮かせる事で熱が籠らないケースもあります。