従来からある一般的な腰痛の治療方法に牽引療法や電気治療、薬物治療と言ったものがありますがこれらは対処療法であって根本的に腰痛を治す方法ではありません。
手術に関しては根本原因を取り除く唯一の腰痛治療になりますが、そもそも手術の対象となる腰痛はごく僅かです。
「腰痛を治すために」と思って病院や治療院を探して通ったとしてもその施術内容で腰痛自体が治るわけではない事を理解し、新たな治療方法探しへ迷走しないように注意する必要があります。
これらを踏まえた上でそれまで一般的とされて来た腰痛の治療方法とその有効性を紹介していきます。
腰痛治療の大半はその場しのぎの対処療法
一般的に行われてる腰痛治療は外科手術を除いて根本的な腰痛の解決ではなく対処療法となります。
なぜ対処療法かと言えば手術を必要な腰痛を除くそのほとんどは腰痛の原因となる病気が特定できない「非特異的腰痛」だからです。
腰痛に多いドクターショッピング
整形外科や治療院に通っても腰痛が良くならないと自分には別の治療方法が合うのではないかと新たな治療を求めて別の病院や治療院を渡り歩くドクターショッピングを繰り返す腰痛の方は沢山います。
根本的な治療ではなくあくまで対処療法ですからドクターショッピングが多くなるのも当然で、これではお金も時間も無駄にするので注意が必要です。
従来の腰痛治療方法
従来型の治療方法が対処療法である事は前提としつつ、それぞれの代表的な治療方法を紹介していきます。
脊柱徒手療法
従来は腰痛や首の痛みに対してカイロプラクターやオステオパス(欧米の徒手療法士)の脊椎の徒手矯正が一般的でしたが現在ではあまり効果が無い事が明らかになってきています。
徒手療法は受け身の治療法で、患者の依存心を作り出してしまう事からも医療的価値が低下しています。
針治療
どんな治療でも痛みが良くならない人に、針治療が腰痛に効果的に働く事もありますが科学的には根拠がはっきりしておらず、ガイドラインでは推奨されていません。
腰部の筋肉が緊張しており針治療をする事で緊張が緩和し一時的に痛みが改善する可能性はありますがこちらも根本的に腰痛を治す事には繋がりません。
温熱療法や電気療法
血行不良が原因で腰痛を引き起こしている場合などは血流が良くなり一時的に症状が緩和する場合もあります。
ただしこれも科学的に治療の効果があると認められているわけではありません。
牽引治療
整形外科で行われている牽引療法では1回10~20分程度、体重の2分の1から3分の1程度の力で腰椎をゆっくりと引いたり戻したりします。
しかり牽引で効果があるのは椎間関節性腰痛と筋筋膜性腰痛と考えられており、世の中の大半の腰痛である椎間板性腰痛には効果が無いです。
牽引をしても、飛び出したヘルニアが引っ込んだり、狭くなった椎間板腔が広がらない事はわかっており、多くの整形外科医も認めています。
痛み止め
ぎっくり腰(急性腰痛)の初期などは強い痛みを感じているときは痛み止めを飲む事で痛みが落ち着き、気持ちを楽にする事で慢性腰痛に移行させない対策にもなります。
ただし長引く慢性腰痛などでは大きな効果を発揮する可能性は低く、ロキソプロフェンなどを長期間に渡り服用し続けると胃や十二指腸、小腸の潰瘍、腎機能の低下といった副作用の可能性も高まります。
ブロック注射
ブロック注射は局部麻酔薬を関節周囲や椎間板に直接注射して局所的に痛みを和らげる方法です。
針の刺激によって痛みが再現されたり局所麻酔が注射された事で痛みが消え、痛みの箇所や程度を特定する為に使われる事もありますが根本的に腰痛を治すわけではありません。
ブロック注射の体験者インタビュー等では激しい腰痛が注射によって治まり最終的に痛みが消えたような紹介がされるケースがあります。
もちろん、局所的な痛み止めなので現在起きている痛みは薬剤によって緩和されるケースがありますが痛みが消えたのは時間経過に合わせてマクロファージが体内の異物を取り除く所謂、自然治癒の可能性が高いです。
ブロック注射を必要とする程の激痛の場合、椎間板脱出や椎間板塊遊離といった一時的に激痛を伴うヘルニアに分類される可能性が高くこれらはヘルニアの中でもマクロファージによって自然治癒する事で有名です。
安静
ぎっくり腰(急性腰痛)の発症後に腰痛を長引かせない為には出来る範囲で活動的に過ごす事が重要なポイントになります。
また長引く慢性腰痛の方でも出来るだけ動くことが日本の腰痛診療ガイドラインでも推奨されています。
安静にしても何かが変わるわけではなくむしろ筋力の低下などデメリットが大きいです。
手術
従来型の腰痛治療で唯一、根本的な治療行為に当たるのが手術等、外科治療になります日本の整形画家では手術の技術は長足の進歩を遂げています。
ただし原因がはっきりしている特異的腰痛は全体の15%程度である事。更に手術が必要なケースはごくわずかである事を理解する必要があります。
治療が手遅れになってしまっては本末転倒ですが正確な画像検査等を行い、手術が本当に必要かどうかを検討するようにしてください。
このページのまとめ
従来からある腰痛の治療方法を否定しているわけではありませんが、そのほとんどが対処療法である事を理解する必要があるかと思います。
治療をしても良くならないからまた新しい治療方法を探して治療院を渡り歩く。これはまさに過去の私の経験でもあります。
原因が特定できない非特異的腰痛の場合はこれらの治療方法に依存するのではなくマッケンジー体操や姿勢矯正による自己管理が有効に働くケースもあります。
当サイトではこれらの腰痛対策を紹介していますので是非参考にしてみてください。